「昨日自分を買ったんだけど」

かごバスケット

右側の自分がカゴから洗濯物を取り出し、左側の自分がそれを干す。

身体が二つになって便利になったことは、こうやって作業を分担できるようになったことだ。

 

どれだけ効率が良いかが問われる。

ただ、意識は相変わらず一つなわけで。

 

昔の漫画にあったような

「右側の自分が作業して、左側が眠る」

なんて難しいことはできやしない。

 

せいぜい

「右側がぼうっと座ってて、左側が狸寝入りする」

くらいの芸当が関の山だ。

 

これだって、ベクトルがだいぶ違うから、かなりの集中力が必要である。

 

右側の自分と左側の自分。

朝起きると、もうどちらだかわからない。

この物語はフィクションです。 実在の人物、地名、団体などとは関係がありません。

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